右脳の脳梗塞で左半身が麻痺してしまい全く動かない状態になりましたが、93才と高齢なので自宅での日常生活ができるまでに回復することは期待していませんでした。
寝たきり状態だけは回避したい。介助しながらでもトイレができるまでの回復を希望して、リハビリセンターに入院して4ヶ月。
期待以上に回復しました。
24時間体制のリハビリ訓練のおかげと、本人の心構えが回復を早めたのではないかと思います。
そんな、脳梗塞回復期の治療について実体験を紹介します。
脳梗塞回復期の治療は一日3時間
脳梗塞回復期の治療をどこで受けるかによって、回復に差が出るのではないかと思います。
義母が急性期病院から転院したのは、回復期リハビリ専門のリハビリセンターでしたが、リハビリ専門というだけあって、設備や用具、スタッフが揃っており、カンファレンスも定期的に実施されてました。
回復期のリハビリを受けられるのは、発症後180日までの定めがあり、急性期の治療で約1ヶ月過ぎていたので、回復期リハビリは残り5ヶ月になっていました。
180日間リハビリを行って回復しなくても保険診療の期間の関係で退院しなければいけないんです。
脳梗塞の回復期のリハビリは、1日3時間まで受けることができますが、年齢的に無理があるようなら加減するとのことでした。
回復期のリハビリは以下の3種類です。
- 理学療法
- 作業療法
- 言語療法
義母の場合、発症直後は言語麻痺があり、ろれつが回っていなかったのですが、それは顔の筋肉の麻痺により、発声が上手くできないためでした。
なので、急性期病院での治療中にゆっくりながらもはっきりと発声できるようになったのと、認知面はしっかりしていたので言語療法は受けませんでした。
リハビリが3時間あるといっても、ぶっ通してするわけではないです。
60分、40分、20分、60分、のように、時間を区切って休憩時間を入れながら、理学療法と作業療法を午前午後に分けて行われました。
休憩時間が1時間のときもあれば、5分しかないときもあります。
リハビリセンターへ転院した直後は、自分で起き上がれないということもあり、休憩時間のほとんどをベッドで横になって過ごしていたんです。
そもそも、リハビリセンターは一般の病院ではないという考え方があるようで、朝起きたら日常着に着替えるんです。
「ここは病院じゃないんだから寝てちゃダメ!」と、言われたそうで、そう言われてからの義母は、日中は横にならないと決めたんだそうです。
リハビリがない時間もベッドに腰かけて、外を眺めたりして過ごしていました。
起きて座っているだけでも、身体の筋肉が鍛えられるんですね。
定期的に行われるカンファレンス
義母が入院したリハビリセンターでは、月に1回、医師、看護師、介護士、本人、家族でカンファレンスが実施されていました。
カンファレンスでは、理学療法士や作業療法士からの報告をまとめて、医学的なことも含めて医師から説明があり、次の1ヶ月の治療目標を提案してくれます。
家族や本人の希望があれば、それも検討してくれたりしました。
義母は高齢だったので、3ヶ月目のカンファレンスでは、年齢なりにまでほぼ回復しているから、これ以上やっても無駄でしょうと言われたんです。
しかし、まだ、治療可能な期間は2ヶ月残っていましたし、自宅に戻れば極端に運動量が減ってしまい、せっかく回復した運動機能が衰退していくのではと思ったんです。
それでも、医師はやっても変わらんでしょ。と言われ、早めの退院を促されたんです。
そこで、医師が堆積した後に担当のソーシャルワーカーの方に、家庭の受け入れ態勢や仕事上の問題で、もう少し退院を延ばしてもらえたら助かることを伝えました。
すると、リハビリ担当の療法士とも相談してくれたようで、リハビリ項目になっていなかった入浴訓練を追加することで、退院期間を1ヶ月延長してくれたんです。
リハビリの効果が期待できる要素が残っているのならと、一ヶ月後のカンファレンスで医師も認めてくれました。
病院では、医師の決定に左右されるんだなーと、感じましたね。
でも、医師以外のスタッフが家庭の事情も汲んでくれて柔軟に対応してくれる体制はありがたかったです。
リハビリ訓練は24時間体制
リハビリ訓練のメインは、理学療法士や作業療法士によるリハビリでしたが、リハビリ専門のリハビリセンターでは、訓練時間以外もすべて日常生活復帰の訓練でした。
朝起きたら日常着に着替えることから始まります。手が上手く使えないうちは、看護師が最低限の介助をしながら自分で着替えます。
転倒しない着替え方を見守りでできるようになると、見守りも外れます。
トイレの自立を目標にしていたこともあり、まだ車いすでしか移動できない時期は、必ず看護師を呼んで介助を受けながらしていました。
自力で行けそうと自己判断で勝手にトイレに行くのが見つかると、怒られちゃうんです。
夜中に、頻回にトイレにいく義母は、そのたびに看護師を呼ぶことを気の毒がっていましたが、介助から見守り、そして自立と安全確認をしながらベビーステップで進めてくれたおかげで、トイレの自立が可能になったのです。
リハビリ担当の療法士と、カンファレンスを繰り返しながら、病棟でも生活もすべてがリハビリ訓練になっていた感じです。
そんな、病院の治療体制を理解して、日中はベッドで横にならないと決めてリハビリを頑張ったことも回復を早めた要因だと思います。
空き時間があれば寝ている患者には、起きていることを促していますが、高齢者が多いので無理強いはしないんです。
まとめ
脳梗塞回復期の治療は、リハビリ専門のリハビリセンターで受けるのが良いと思います。
専門病院ですと設備が充実していますし、療法士、看護師、介護士などのスタッフが揃っています。
また、病棟ごとにソーシャルワーカーの相談員さんが配属されているので、入院中のことや退院後のことも相談できたり手続きをしてくれたりと、家族の負担も軽減されました。
そして、何より、24時間体制のリハビリを患者自身が受け入れて、回復に向かって努力する心構えが一番だと感じています。
その、本人の意識を高めてあげられるのは、家族の応援ではないでしょうか。
長時間付き添うことはできなかったですが、週4回くらいは病院へ通い、時にはリハビリ訓練に立ち会いました。
こんなことができるようになったんですよ!と、療法士さんから家族に報告があったときは、とても嬉しそうにしていましたし、その後の訓練の励みにもなっていたようです。
脳梗塞を起こした場所や、発症から処置までの時間によって、後遺症には差がありますが、義母のリハビリ体験が一つでも参考になると嬉しいです。
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